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アイデアル・スタンプ・モンタージュ - 僕と君と明日のつづき
ほぼ、毎日更新の創作ブログ。コンテンツは更新履歴と短編小説の連載など。

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FICTION DIARY - 『僕と君と明日のつづき』(19)

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僕と君と明日のつづき
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 当ブログは基本的にフィクションです。実在の人物、団体、事件など一切関係ありません。掲載された文章には校正が入っておりません。誤字脱字などのご指摘、その他、ご感想やリクエストなどありましたら、メールにてお送り下さい。
2008.06.28 Sat
FICTION DIARY - 『僕と君と明日のつづき』
再会はポストの前に
text by HOSOKAWA matasaburo | 文=細川又三良
 ひょんな再会は、ただの偶然をまるでずっと前から決まっていたかのような錯覚に陥りさせ、運命という根拠がありそうで無いものを信じさせる――。

 サッカーの試合を観ていたのがいつの間にか眠ってしまい、ハッと目が覚めてベッドから跳ね上がる。
 時間を見ると、午前八時ジャスト。
 はう、ヤバイ、でも、ギリギリセーフだ。
 すぐに飛び起きて、部屋を横切りながらジャージとシャツとパンツを脱ぎ捨てていって、浴室に入ってシャワーを浴びる。

 ぬるめに設定したお湯を浴びて、今日の打合せに持っていくものを整理する。
 忘れ物が多いとは、小学生の低学年の頃から言われ続けてきたことだった。成長するにつれて少なくはなったものの、今でも時々、致命的な忘れ物をしてしまう。
 ガシガシと頭を洗いながら、アレとコレとソレの資料は持っていかないとな、と頭の中で指折り数えながらインプットする。

 バッグを脇に抱えて玄関を出る。
 マンションのロビーを通り過ぎるついでに、郵便受けも見ておく。
 先週、アマゾンで注文していた本が入っていれば、行きの道中も楽しいものになるのにな、と思ったのだが、世の中はそんなに上手くは行かないもので、箱の中は請求書とダイレクトメールばかりだった。
 
 その時、背後にダダダッと階段を駆け下りる音が聞こえた。
 何事かと振り返ると、夏服を着た女子高生が一階に飛び降りて、勢い余って大きく回りながらロビーに出て来た。
 ふと目が合う――昨日のもっさいスウェット姿とのギャップで人違いだと思ったが、目を見ればわかる。その女子高生は間違いなく真夜中の彼女だった。

「あっ!!!」
 先に声を出したのは彼女だった。表情がどこか固まっている。
 無言でうなずく僕。すると彼女はぺこりと頭を下げて、
「えっと、おはようございます」
 と言って、歩幅を狭めてそそくさと僕の隣を通り抜けていった。

 僕は届いた郵便物を手に持ちながら、なぜなのか、彼女の後ろ姿をじっと見つめていた。
 人間の視線には、目には見えないビームのようなものが出ているのだろうか、突然、彼女は足を止めて、くるっと後ろを振り返った。
 再び目が合うと、彼女は急いで前を向き、文字通り脱兎のごとく駆け出した。
 その挙動不審な動きは、野良ネコのそれにとてもよく似ていた。


「そう、まさか、それがきっかけとなって恋が始まろうとは、この時の僕には思いも寄らないことだった」

 なーんて、一人、モノローグ風に呟いてみる。
 そんなことあるわけないよな、と笑うが、しかし、僕と彼女は数時間後、意外な形で再会を果たすことになるのだった。

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(2008/06/28(土) 17:40)

 

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