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アイデアル・スタンプ・モンタージュ - 僕と君と明日のつづき
ほぼ、毎日更新の創作ブログ。コンテンツは更新履歴と短編小説の連載など。
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FICTION DIARY - 『僕と君と明日のつづき』(19)
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僕と君と明日のつづき
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2008.09.08 Mon
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text by HOSOKAWA matasaburo | 文=細川又三良
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(2008/09/08(月) 11:52)
2008.07.17 Thu
FICTION DIARY - 『僕と君と明日のつづき』
不信用取引の行方
text by HOSOKAWA matasaburo | 文=細川又三良
昔から、僕にとって女性の白いブラウスは憧れやら恐れやら、神秘の対象だったような気がする。特に夏服の女子は、思春期の甘酸っぱい記憶がトラウマのように残っていて、不意に呼吸を苦しくさせる。
スカートから伸びる脚とハイソックスもいいけど、二つの豊かな膨らみと、白い布に透ける色とレースの模様も充分にそそるよな、とぼんやり思う。
発想を逆にして、女子は夏服の男子のどこにエロティックを感じるのだろうか。
男子高出身の僕から言わせれば、やはり、腕のような気がする。出来れば、袖をまくって、若干、汗ばんでいて欲しい。
それはともかく、いきなりお願いと言われても、軽々しくうなずくわけにはいかなかった。
「ごめん、たぶん、出来ない」
「えー、まだ、何も言ってないじゃん」
話を聞いてしまえば、半分ぐらい巻き込まれたことになるので、やはり、知らぬ存ぜぬが一番だった。
「よく知らないのに安請け合いしちゃうと、後悔すること多いからね」
こんなにきっぱりと断ってくると思ってなかったのだろうか、プラスチックのスプーンが止まり、ツカサはじっと黙り込んだ。
その隙に、さっさとカレーを平らげて、ダイニングテーブルから立ち上がり、シンクに皿を沈める。
昨日と今日と一緒に食事をして、心が近づいたのに、今またゆっくりと離れていくのを感じる。
仕方がないのだ、こればかりは。
僕は少し極端な人間で、もし協力するのならば、トコトンまでやってあげたくなる性格なのだ。だから、そうなるには相手にも覚悟のほどを見せてもらうことが必要だった。
誰でもいいから相談したかったとか、特に理由もなくお願いしたいなど、相手がその程度の気持ちなのに引き受けたら、あとで絶対に悔やむことになる。
そして、その人を少なからず憎んでしまうだろう。
そうはなりたくないので、最初のうちにきちっと線を引くことが、僕にとっての人付き合いのマナーになっていた。
無言でキッチンを離れて、リビングに行く。
去年、ノートパソコンを買ってから、こっちをメイン機にして、ほとんどリビングで仕事や執筆をするようになっていた。
「……話ぐらい聞いてくれてもいいじゃん」
ツカサの呟きが聞こえてくる。頬を膨らませるのが、見なくてもわかる。
「悪いけど、ん、ごめんな」
一応、謝っておく。
これで会話は終わり、アイスを食べ終わったら、帰らせるつもりだった。その時、あっ、と思い出す。肉じゃがを入れていたタッパーウェアはシンクに沈めたままだった。
思い立ったら、すぐに行動に移すに限る。
サッと立ち上がってキッチンに戻ると、台所に立って洗剤をスポンジに含ませて、タッパーのフタからさっさと洗っていった。
「……怒ってる? 嫌いになった?」
手を動かしながら、短く答える。
「んー、そういう問題じゃないんだよ」
タッパーだけ洗って、水でゆすぎ、一旦、食器入れに置く。乾いた清潔な布巾を出して、水滴を拭き取っていく。
「今すぐ洗って返すから、今日はもう帰りなよ」
すっかりと綺麗になったところで、パチンとフタを締めて、ツカサの目の前に置く。ストロベリーのハーゲンダッツはすっかりと溶けて半分が液体状態になっていた。
「どうしたら、話を聞いてくれる?」
こんなにも必死に食い下がって、一体、何があったんだろう、と思う。が、しかし、シリアスな顔で言われても、冗談で返すしかなかった。
「そうだな、じゃあ、ここでパンツを脱いで、スカートの中見せてみてよ」
「え……」
「そしたら、話を聞いてあげる」
本当にふざけていっただけで、そうさせるつもりはまったくなかった。
それなのに、ツカサは話を聞くと、飛び出すように浴室に向かった。すぐに戻ってくると、僕の前に仁王立ちになった。
その右手にはピンクの下着が握られていた。
FICTION DIARY - 『僕と君と明日のつづき』
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(2008/07/17(木) 10:18)