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アイデアル・スタンプ・モンタージュ - 僕と君と明日のつづき
ほぼ、毎日更新の創作ブログ。コンテンツは更新履歴と短編小説の連載など。
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FICTION DIARY - 『僕と君と明日のつづき』(19)
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僕と君と明日のつづき
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当ブログは基本的にフィクションです。実在の人物、団体、事件など一切関係ありません。掲載された文章には校正が入っておりません。誤字脱字などのご指摘、その他、ご感想やリクエストなどありましたら、
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2008.09.08 Mon
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text by HOSOKAWA matasaburo | 文=細川又三良
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(2008/09/08(月) 12:04)
2008.07.16 Wed
FICTION DIARY - 『僕と君と明日のつづき』
青い夏のブラ
text by HOSOKAWA matasaburo | 文=細川又三良
少し前から、シホミさんとの日々を参考にして、ある小説を書いている。
公募用ではない完全に自分のための作品。
現実にあったことをそのまま書くことに興味はないから、ほぼ100パーセントのフィクションで書くつもりだ。
語り部の主人公も大学在住の学生にして、ヒロインたる女性も人妻に設定してみた。
現実の欠片を集めて、まったく違う世界の物語を創り上げていくのは、本当に楽しい。
企画書の仕事をほっぽり出して、その作品を書いていると、ピンポーン、とドアのチャイムが鳴った。
夕方の七時過ぎ、この時間に来るのは、新聞の勧誘だろうな、と思って玄関先に出る。
「どなたですか?」
「デリバリーキッチンです」
どこかで聞いたことのあるような若い女性の声。
「はあ!?」
ドアスコープを覗くが、なぜか真っ暗だった。鉄のドア越しの会話はもどかしく、鍵を回してドアを開けた。
「すみません、何も頼んでないんですが」
そこには制服姿のツカサが、いたずらっ子の目つきで笑いをこらえるようにはにかんでいた。まさかのツカサちゃん再登場だ。
彼女が手に持っていたのはタッパーウェアの容器だった。
「なにそれ?」
「カレーのお礼だよ」
お礼と言われても、昨日作ったカレーはまだ山盛り残っている。フタを開けてみると、そこには、ジャガイモとニンジン、タマネギに糸コンニャクで構成された料理が入っていた。
「肉じゃが、か」
「うん」
嬉しそうにアクセントをつける。
「入っていい?」
あ、ちょっと待て、と言う前にぺったんこのローファーを脱ぎ捨てて、またもや図々しくも部屋に入ってきた。
「カレーのお礼に肉じゃがなんて、ほとんど材料同じじゃん」
「うん、好みに合わせてみた」
「誰の?」
「あなたの。あっ、そう言えば、なんて呼べばいい?」
「ん、又さんでいいよ」
「へー、ヘンな名前。ほら、具が大きいでしょ」
優しいというか律儀というか、それとも単純にヒマなのか、でも、また会えたことは不思議と嬉しく思えた。
ちょうど、良い時間だし食事を取ることにした。一緒にカレーを食べるか、と聞いたが、肉じゃがを食べてきたのか、ううん、と首を振った。
しかし、一人で食べる姿をジロジロ見られるのもイヤだと思って、強制的に何か食べろ、というと、冷蔵庫を漁りだして、冷凍庫の中からずっと前に買って忘れていたハーゲンダッツのミニカップを探し当てた。
「やった、ストロベリー」
「良かったね」
肉じゃがをおかずにして、カレーライスを食べるのは少しだけ複雑な気分だった。
食事の間、お互いに共通の話題もなく、沈黙の空気が流れている。あと一口、ほとんどカレーを食べ終えたところで、
「あのさ」
とツカサが声を出した。
冷凍庫の奥に入れたあったからか、ハーゲンダッツはカチコチに凍っていて、プラスチックのスプーンでは苦戦したのか、まだ半分も食べていなかった。
「えっと……又さんに、一つお願いがあるんだけど」
んだよ、またかよ、と思ってツカサを見ると、言い出しにくそうにはにかんで笑った。
ふと、真正面からツカサを見るのは、これが初めてなんじゃないかと思った。
えんじ色のリボンに白のブラウス、二つの柔らかい膨らみには、青色とレースの模様がうっすらと透けて見えた。
それは手を伸ばせば届く位置にあった。
FICTION DIARY - 『僕と君と明日のつづき』
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(2008/07/16(水) 04:04)