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FICTION DIARY - 『僕と君と明日のつづき』(19)

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僕と君と明日のつづき
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 当ブログは基本的にフィクションです。実在の人物、団体、事件など一切関係ありません。掲載された文章には校正が入っておりません。誤字脱字などのご指摘、その他、ご感想やリクエストなどありましたら、メールにてお送り下さい。
2008.07.09 Wed
FICTION DIARY - 『僕と君と明日のつづき』
次は傑作をお願いします
text by HOSOKAWA matasaburo | 文=細川又三良
 その編集者はこちらから電話やメールをしても、なかなか連絡が付かず、いつも忘れた頃に電話をくれる人だった。
 忙しいんだなあ、と思うけど、もうちょっと何とかならないのかな、とも思う。
 まあ、でも、僕はカネを産みだしている存在じゃないし、忙しい時間を割いて相手にしてもらっているだけでも、感謝をしなければならない。
 すぐに返事をもらいたければ、やはり、売れっ子になるしかないのだ。そのためには……ハイハイ、やることをやりましょう。

 電話を終えてリビングに戻ると、ツカサはまだいた。僕の顔を見るなり、
「すごいね」
 と言った。
「何が?」
「へええー、小説を書いてる人だったんだ」
 はっはっは、小説を書くぐらい、偉くも何ともないだろう。本当にすごいのは、ちゃんと商品として売れる、もしくは作品として認められる小説を書いている人たちだ。
「忘れろ、そのことは」
「へっ、なんで?」
「本、出てるの? とか、どんなの書いてるの? とかいろいろ説明するの疲れるから。しかも、説明した後に、現状の自分が情けなくて落ち込むから」
「そっか、わかった。で、読ませてくれる?」
 くかー、何を聞いているのかな。あまりにも率直なやり取りに、怒る気にもならなくて、黙って首を振って、テレビを観る。
 しばらくして、パッとツカサは立ち上がって、
「帰るね」
 と言った。招かざる客と言っても客は客。玄関まで見送る。
「もう、真夜中にあんなところで電話なんかするなよ」
「あは、うん、あ、カレーごちそうさま」
 お互いにバイバイと手を降って別れる。
 意味ありげに書いたけど、ツカサちゃんのエピソードはこれでお終い。恋愛に発展すると思ってた人、残念でした。

 部屋に戻って、編集者と話したことのメモを読み返す。
 結構、シビアなことを言われているのを、今さら気付く。
 でも、この人の感性は間違ってはいない。上手く言葉に出来ないところがもどかしいけれど、何か通じ合う部分がある。
 だから、僕に声を掛けてくれたんだろうけど。
 今のところ、○なのが2作、×なのが2作。
 五割の確率じゃ、ダメだよな。

「次は傑作をお願いします」
 
 彼の締めの言葉を、自分の口でいってみる。

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(2008/07/09(水) 03:13)

 

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