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アイデアル・スタンプ・モンタージュ - 僕と君と明日のつづき
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FICTION DIARY - 『僕と君と明日のつづき』(19)

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僕と君と明日のつづき
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 当ブログは基本的にフィクションです。実在の人物、団体、事件など一切関係ありません。掲載された文章には校正が入っておりません。誤字脱字などのご指摘、その他、ご感想やリクエストなどありましたら、メールにてお送り下さい。
2008.07.08 Tue
FICTION DIARY - 『僕と君と明日のつづき』
世界の標準、わたしの基準
text by HOSOKAWA matasaburo | 文=細川又三良
 まずは訂正と言うか、また別の考え方があると指摘があった。
 カルピスの濃度について、ここでは単純に濃いめだと幼く、薄めだと大人だと書いたが、ある人の考えでは、薄いと幼く、濃いと大人ではないか、と。
 その根拠は、子どもの頃、普通の家庭ではカルピスは貴重で、少ない原液でなるべく多くの量を飲むために水を多めに入れていた、と言うのだ。
 なるほど、確かに、うちの弟もいつも溢れるぐらいの水を注いでいたような気がする。

 本当の意味でカルピスの標準的な味が確立されたのは、きっと、カルピスウォーターが発売されたからに違いない。
 最初、飲んだ時、どこか薄いなあ、と僕は思った。
 そして、僕のカルピスを彼女に飲ませたりすると、9割の確率で濃いと言われたりする。昔から、なぜか、濃い味が好みだった。

 そういうわけで、
「ちょっとこれ濃くない?」
 とツカサは白くなった舌を出した。
 カルピスの味はさておいて、肝心のカレーの味はいまいちだった。スパイスの加減が曖昧で、もう少しわかるように入れた方がいいと思った。
 対する、ツカサは一口食べた途端に、微妙とわかる表情を見せた。きっと、彼女にとっても通常のカレーの方が美味しかったに違いない。
 でも、二人ともカレーの味には文句を言わなかった。
「すごく美味しいね」
 そう言われてもしまうと、共感せざるを得なくなる。
「そうだね」

 ご飯を食べたあと、ツカサに自宅に戻るように言う。
 同じマンションでも未成年の少女が男の部屋にいること自体、おかしいのだ。
 もう何年も同じ屋根の下に住みながら、ツカサがいることさえ知らなかった。ほんの二十四時間前までは、まったく見知らぬ赤の他人だったはず、それが、一緒のご飯を食べるまでの仲になっている。
 他人と親しい人を区切る壁って何なんだろうか、と考える。
 別の場所で、違うシチュエーションで出逢ったら、僕とツカサはこんな風に話すことはなかったはずだ。

 その時、携帯が鳴った。
 知り合いの編集者からの久しぶりの電話だった。
 会話を聞かれたくなくて、もうすぐ九時だ、と壁の時計を指して、ツカサに帰るように伝える。

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(2008/07/08(火) 02:37)

 

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